伊那市の各種分析について(④地域の産業構造および付加価値について)
今回の記事では伊那市の産業構造についてです。
まずは、各産業が地域や他産業にどのような影響を与えるかを見てみます。
縦軸は「影響力係数」で、調達先に与える影響力の強さを表します。
横軸は「感応度係数」で、販売先の消費や投資の増加が、当該産業に及ぼす影響の強さを表します。
見方としては、縦軸と横軸がクロスしている中心点を起点として、
右上の「第1象限」、左上の「第2象限」、左下の「第3象限」、右下の「第4象限」の、
どこに位置しているのかを見ることによって、
地域や他産業への影響力が強い産業か否かがわかります。
詳しい説明は、図を確認していただければと思いますが、
一番地域の核となる産業である「第1象限」グループに属する、
電気業、化学、食料品などは、
特に地域にとって核となりやすい産業であることがわかります。
続いては、生産誘発額についてです。
上図は、ある産業が100万円の消費や投資を行った場合、
域内へ波及的に広がる経済効果の強さを表した図になります。
当該データによると、
製材・木製品・輸送用機械・食料品等で波及効果が高いことがわかりますが、
伊那市の全産業を俯瞰すると、大きな波はなく、飛び抜けた産業がないことがわかります。
次は産業構造(取引関係)についてです。
どの産業がどの産業と結びつきが強いのかを表した図であり、
先ほど掲載した影響力・感応度・生産誘発等の背景が、この図からわかります。
ここからは、産業の付加価値(稼ぐ力)のデータに入ります。
このデータでは、売上高ではなく付加価値(粗利)を見ることで、
効率よくお金を稼げている産業を把握することが出来ます。
次は、産業別の付加価値を、伊那市と全国平均で比べてみます。
この図からは、伊那市と全国平均で差(ギャップ)がある産業を見ることで、
全国平均よりも効率的に付加価値を稼げている産業を把握することが出来ます。
伊那市の場合は、公共サービス・公務・対個人サービスが、
効率的に付加価値を生み出している産業であることがわかります。
続いては、産業別(1次・2次・3次)の労働生産性(一人当たりの粗利)についてです。
このデータはとても残念なものでした。
どの産業においても、全国平均はおろか、同規模(同程度の人口)の他地域と比べても、
労働生産性が低いという結果が出ました。
地域産業の生産性がかなり悪いので、生産性向上のための取り組みは、
今後の伊那市及び伊那市の事業者にとって、
本気で取り組まなくてはいけないものとなるでしょう。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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