伊那市(上伊那)で起業したい方へ①~開廃業率編~
今回は起業に関しての記事になります。
なお、引用する図表・データは「中小企業庁」発行の『2016年度版中小企業白書』からが中心となっております。
さて、起業をしたい方(起業希望者)は、未来に希望を持っていたり、成功できるか不安があったり、色々な気持ちを抱かれていることと思います。
正しい情報を手に入れて、起業するにしても、諦めるにしても、ちゃんと情報を理解した上で決断をして頂けましたら幸いです。
では前置きは終わりにして、早速本題に入ります。
以下は日本の開廃業率(開業と廃業の率)の推移になります。
国の起業者支援等の影響もあり、開業率は少しづつ増えており、廃業率は景気や金融円滑化法の名残などもあり、ここ数年横ばい傾向が続いています。
次は都道府県別で開廃業率を見てみます。
開業率と廃業率が同率となっています。廃業率の方が多い都道府県もあるので、それに比べたら……とは思うものの、決して芳しい数字とは言えません。
続いては、県内の市町村の創業率ランキングを見てみましょう。
伊那市は県内的に見れば、比較的起業者・開業者が出易い地域であることがわかります。
しかし、現実問題として開廃業率が同率であることから、長野県自体の景況感がいいとまでは言い切れず、ちゃんとしたビジネスモデルを構築してからでないと、勢いだけで起業をしてしまうと厳しい現実に直面してしまうことが想像できます。
では、全体的な傾向として……開廃業率を業種別に比べた分布図を見てみましょう。
上図はいわゆるポジショニングマップの一種ですが、縦軸に廃業率。横軸に開業率を置いたものです。例えば、右上は高廃業率・高開業率なので、新規参入者が多く、参入障壁は低いと考えられるが、同時にレッドオーシャン化しているため、負け組企業も多く、高開業率&高廃業率を認められる。ということで、飲食店なんかはその傾向が顕著ですよ。という図になります。この図からは色々なことが読み取れて面白いので、自分が起業したいな…と関心を寄せている業種を分析してみるといいのではないかと思います。
今回の題材「起業」に関する記事は、かなりボリュームがあるため、連載形式でまた次回書こうと思います。第1回目の今回は、まず開廃業率に目を向けていただくことで、開業する人と廃業する人ってどっちが多いの?という比率の部分を通して起業と撤退の実態を理解していただきました。
また、見たこと・聞いたことがあるかもしれませんが、「起業後10年で8~9割の会社が潰れている」という方もいます。しかし、この統計に関しては算出根拠が……賛否両論ありまして、信頼性が難しい部分がありましたので、今回はその話に関連するデータは掲載いたしませんでした(実はもっと生き残り確率は高いという主張がある)。
次回は起業者の実態に関して書いてみたいと思います。本記事もお読みいただきありがとうございました。
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