あるしん(アルプス中央信用金庫)の業績雑感

更新が滞り申し訳ありません。

元データ紛失のため、起業に関する記事は途中ではありますが終了となります。

また時間のある時に1から作成・追加させていただくかもしれません。ご了承ください。


さて、本日は地域金融機関である「あるしん」の業績についてです。

皆さんはあまりご覧になる機会はないでしょうが、”ディスクロージャー(銀行の決算書)“というものがあり、現在は各金融機関のHPなどで開示されており、気楽に見られるものなので、ご興味のある方は一度ご覧ください。


今回は、あるしんのディスクロージャーから気になった点について、

「ディスクロージャーから読み解くあるしんの今」について書いてみます。

まずは、ディスクロージャーから抜き取った、以下の数値をご覧ください。

まずここでご覧いただきたいのは、「預貸率」です。

これは金融機関が「お客様から集めた預金を、法人などへの融資にどれだけ回しているのか?」という、“融資の積極性”に関する指標です。

この預貸率があるしんの場合は38.4%。つまり預金で集めたお金の4割弱を融資に回しているという数値なわけですが、これは県内金融機関の中でも若干低い数値です。

つまり、あまり積極的に融資が出来ていない。ということです。

これから起業したいので創業融資を。すでに起業されている方が運転資金や設備投資資金を!と言う場合に、融資を受けやすい銀行かどうかを見極めるひとつの判断材料になります。


次に注目したいのは「不良債権残高」と「不良債権比率」です。

あまり詳しい話を書くとアカデミックになってしまうので簡単に説明しますが、

金融機関は、業績が厳しい&返済が困難になっている企業にお金を貸している場合は、

「格付け」をして、その格付けが低い企業に対しては“正常債権”ではなく“不良債権”として計上するルールを課せられています。

つまりより簡単に説明すれば、“不良債権残高”とは「返済してもらえないリスクの高いお金がいくらあるか?」ということです。

この貸し倒れの可能性があるお金が、あるしんの場合は金額ベースで「107億」。

正常債権に対する比率ベースで「8.62%」となっています。

実はあるしんは県内主要金融機関の中で一番不良債権比率の高い金融機関です。

ただしその一方で、今回のディスクロージャでは、不良債権比率が-0.85%と県内金融機関の中でダントツの改善を見せています。これが単に金額の多い貸出先の倒産による低下なのか、債権放棄を含むオフバランス施策で改善を行ったのかについては不明ですが、もしも債権放棄を含む改善を行い始めたのであれば、再生企業の皆さんは第2会社方式など、改善スキームに選択肢が広がるかもしれません。


最後にまとめです。

預貸率や不良債権比率、自己資本比率などの数値・変化を見ていると、今のあるしんは何か積極的に構造改革をするというよりは、手堅く業績改善をしている印象です。

金融検査マニュアルの廃止に伴う事業性評価やコンサルティング機能の発揮。そういった時分にあって新たな一手で積極策を行っている印象はありません。よく言えば今まで通りの手堅い対応でお付き合いできる。悪く言えば経営者保証ガイドラインで保証人を外すとか、債権放棄を伴うイグジットの計画に同意を得にくい。などのやり辛さがあるかもしれません。


とりあえず、伊那市周辺の事業者及び起業希望者の皆様は、現状お金は借りにくいが、長期に手堅くお付き合いできる金融機関として、サブバンクとして利用するのがいいかもしれません(会社の規模によりますが^^;)。


本日もお読みいただきありがとうございました。

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